ロビン・ウィリアムズ『いまを生きる』
私はロビン・ウィリアムズ氏の『いまを生きる』が大好きで、原著の『Dead poets society』をトイレに常備し、たまにパラパラ読んでいます。
先日、ロビン・ウィリアムズ氏の悲報を受け、久々にYoutubeで『いまを生きる』の動画をしんみり見ていたのですが、皆さんと彼の映画の素晴らしさを共有したく、今日はいくつかの場面を紹介したいと思います*1。以下ではネタバレがあるので、まだ未見の方は注意して下さい。
①『RIP IT OUT!!!』
What will your verse be? - YouTube
主人公のキーディングは英語(国語)担当の新任先生ですが、学問という枠に縛られた授業や生き方を否定し、皆の人生の在り方を変えていきます。
そんな彼の最初の『奇行』が、お偉い教授による定量的な詩の評価に関するページを教科書から破かせるシーンです。
この行為はとてもロマンに溢れており、受験勉強でとにかく点数を取る勉強をしてきた私にはとても感銘を受けました。これは、灘高校の故橋本武先生による、中学3年間を費やして1冊の『銀の匙』を読む国語の授業に近い考え方ですね。この映画を見てkから、ファイナンスを勉強するにしても、その背景にあるロマンに心をときめかせる様になってしまいました。ちなみに、キーディングのこの行為に胸を焦がした若かりし頃の私は、集団塾のバイトで同様の行為を生徒に行い、授業は史上類を見ないほどの盛り上がりを見せた後、室長から厳重注意をされました。
②『Language was developed for one endever... That is... To woo women!!』③『we must constantly force ourselves to look at things differently』
Dead Poets Society (3-rd lesson, look at things ...
前半は、言語が発達した理由は『女性に求婚する為だよ』と語りかけるキーディングがあまりにもオシャレです。しかし、更にたまらないのが、後半のキーディングが机を上るシーンです。
『何で机に上っていると思う?物事をいつも違う角度で見るよう忘れない為だよ。』
この考え方は、スティーブジョブズの『Think different』*2に通じるものがあるように思います。目の前にあるものを、そのまま受け取ったのではこの世の中では価値が出てきませんし、第一おもしろくも何ともありません。人と違うって素敵です。
ちなみに、この映画に完璧にかぶれてしまった若かりし頃の私は、集団塾のバイトで『机の上から周りを見渡して見る』という行為を授業中に行い、塾長に大いに叱られた苦い記憶があります。
④『This desk set wants to fly』
Dead Poets Society - This desk set wants to fly ...
子供に関心の無い両親から、昨年と同じデスクセットを友達(トッド)が貰って、嘆いていました。そんな彼に、ペリー少年は『感じるだろ。このデスクセット、空を飛びたいみたいだ...』と言って、トッドに投げさせちゃいます。そして『心配無いさ、また来年買って貰えるさ』と、ポジティブに慰めます。
一緒になって悲しむのも大事ですが、一緒に辛い気分を吹き飛ばしちゃう、そんな人になりたいなぁ、と痛感するシーンです。
⑤『Oh Captain, My Captain』
Dead Poets Society.MP4 - YouTube
色々ありましたが、映画はこのシーンで幕を閉じます。破天荒なやり方で生徒の生き方を変えていくキーディンクですが、彼を良く思っていない校長達は、生徒の起こした事件の責任という事で、彼を辞任させてしまいます。それに対し、今まで引っ込み思案だったトッドが自らの意思で校長に噛みつき、周りの生徒を巻き込んでいく、そんなシーンです。
とても感動的であり*3、キーディングの行為が生徒の心持ちを変えていた事がわかるシーンでもあります。
しかし、現にキーディングは世の中の構造に敗北して辞任しますし、トッドの勇気に賛同せず、椅子に座りっぱなしの生徒が何人もいます。この辺りがとてもリアルであり、この映画をまるまる鵜呑みにするべきでも無い、と現実に引き戻す役目を果たしている、そんなシーンでもあるように感じます。
それでも、やはり世間に対してクリティカルに、そしてロマン溢れる、そんな視点でこれから生きていこう、そうワクワクさせてくれる素敵な映画です。